太平洋戦域(上陸戦)
| 硫黄島からの手紙 LETTERS FROM IWO JIMA 2006年米 141分 ★★★ 監督:クリント・イーストウッド、出演渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、松崎悠希、中村獅童 アメリカ映画なのに日本兵中心、ほとんど日本語のセリフだけで描かれた硫黄島の戦い。 …ということで期待したが、日本兵の言動や日本人の描写もごく普通で、日本映画を見慣れた私たちにとっては特に新鮮味もないと思う。戦闘の最中に回想シーンが入って、日本人女性が出てくるところなどまるで日本映画そのもの。 もちろん戦闘シーンの迫力は日本映画とは一線を隔すが、アメリカ映画としてはむしろおとなしい方じゃないか。アメリカ人にとってこの映画はどうだったのか興味あるところだ。…アメリカではヒットしたの? またかんじんの栗林中将の描写が今ひとつで、沈着冷静なのかピンチに弱いのか、合理主義者なのか精神論者なのか、どっちつかずに見えるところが多々あり、映画「ビーチレッド」の変な日本人指揮官のイメージがダブっちゃって困った。 硫黄島全体の守備隊兵力は二万人強で、投降者は千人ほどだったこと。上陸から組織的抵抗終了まで一ヶ月以上粘ったことなど、全体像が見えにくかったのも残念。(2007/9) |
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| 父親たちの星条旗 FLAGS OF OUR FATHERS 2006年米 132分 ★★★ 監督:クリント・イーストウッド、出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、ジェイミー・ベル 硫黄島の戦いそのものよりあのすり鉢山に星条旗を立てた(写真に写っている)ヒーローのその後の運命を中心に描いている。 映画は実戦シーン、戦後、さらに老後の現在における回想という形を取っており、この三つの異なる時間帯が交互に出てくる構成なのでやや見づらい。特に戦闘シーンに緊張感を持って見入っている時に、ぷつっと途切れる感じが残念。 艦砲射撃や空爆シーンは(もちろんCG多用だが)これまでになかったものでかなりの迫力。 俳優は「プライベートライアン」のジャクソン狙撃兵やジョージ・マーシャル将軍、「ウィンドトーカーズ」のアダム・ビーチ、「バンドオブブラザーズ」のコンプトン中尉など、あちこちで見覚えある人が多数出演で嬉しい。(2007/9) |
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| ウィンドトーカーズ WINDTALKERS 2002年米 134分 ★★★★ 監督:ジョン・ウー、出演:ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ、クリスチャン・スレイター 日本軍に解読されない暗号を…とアメリカ軍はネイティブアメリカン、ナバホ族の言語を使うことを思いついた、という事実をもとに作られた映画。そのナバホ出身兵の護衛役のアメリカ兵がニコラス・ケイジ演ずる主人公。実は護衛といっても、万が一捕虜になりそうな時は機密保持のため殺す命令も受けていた。激戦に巻き込まれるが、その葛藤の中で命令を実行することができない主人公。 N・ケイジは見るからにいい奴っぽくて、役柄にあってて私は結構好きだなぁ。ガダルカナル、サイパン、タラワと戦いは続き、戦闘シーンもなかなかの迫力。 昨今のリアル系というよりは、往年のアクション系だが、アメリカ軍はM4、M5、日本軍は九五式戦車なんかも出てきて楽しい。でも日本の民間人が出てくるシーンは、戦後生まれの私でもちょっと胸が痛い。 でも、どこかわからない砲兵陣地からどんどん飛んでくる砲弾…ってやっぱり「地獄の戦場(1950)」の影響?(2008/3) |
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| シン・レッド・ライン Thin Red Line 1998米 2時間51分 ★★ 監督:テレンス・マリック、出演:ショーン・ペン、ニック・ノルティ、ジム・カヴィーゼル、ジョージ・クルーニー ガダルカナル攻略戦ということになってるが、アメリカ軍が上陸ってとこが史実と逆。他の戦争映画のように明確な戦術目標に向かってストーリーが進むというわかりやすい映画じゃなかった。通常ならラストシーンではいるような主人公のモノローグが、途中何度も入る。 スタートからじれったいほど(約40分)待たされてやっと戦闘が始まるが、それは丘の上のトーチカとその後の日本軍陣地を二日間かけて攻略するという地味なもの。しかし悪戦苦闘する様が1時間近くに渡り続き、恐怖に震える兵士、上からの命令を拒む現場指揮官などを執拗に描いている。 今じっくり見直してみるとなかなかいい映画だが、公開は何しろあの「プライベートライアン」のすぐ後だったから、劇場で肩透かしを食らったような気分になった人も多かったのでは? 出演はS・ペン、N・ノルティや「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディなど、ちょっと変わった路線ぞろい。(2006/10) |
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| ビーチレッド戦記 Beach Red 1968米 1時間40分 ★★ 監督:コーネル・ワイルド、出演:ジーン・ウォーレス、リップ・トーン、 コーネイル・ワイルド 「地獄の戦場」で書いたように、兵士のモノローグと共に回想シーンが挿入されるという手法がとられている。上陸してからの戦闘はなかなか見ごたえある。腕をもぎ取られた兵がふらふら歩くところなど「プライベートライアン」のお手本みたい。火炎放射器で丸焼けになっても撃ち返してくる日本兵なども強烈。出てくる戦車はM41。 しかし日本兵の描写がところどころ変。特に指揮官の日本語、作戦命令シーンは爆笑もの。それから国に残した妻の回想シーンがなぜか入浴シーンで、おまけに巨乳! あちこちでしぶとく待ち伏せ攻撃をする兵士たちががんばってるだけに、この指揮官のボケ振りが困りもの。一方ある二等兵は日本語はまともだが農家の出身らしく、回想シーンは畑仕事。仕事中の夫に会いに来る笑顔一杯の妻と子がどう見てもフィリピンかインドネシアあたりの人。どうせ欧米人には日本人との区別つかんだろう…ってとこか? 他の兵士も数が足りなかったのか、よく見ると国籍不明のがいるし。そして最後の日本軍の捨て身の作戦というのが前代未聞。それにしても両軍の兵士とも思い出すのは女の事ばかり。そこに人間らしさ…素朴な男たちを描きたかったのかもしれないが、なーんか違う方向に行っちゃって、妙〜な映画に仕上がってます。(2006/10) |
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| 地獄の戦場 Halls Of Monezuma 1950米 1時間53分 ★★★ 監督:ルイス・マイルストン、出演:リチャード・ウィドマーク、ジャック・パランス、ロバート・ワグナー アメリカ海兵隊による、太平洋の島々における上陸作戦を扱った代表作。 硫黄島かサイパンあたりがモデルだろうが特定はされていない。戦闘シーンはアメリカの物量作戦がよく再現されており、シャーマン(火炎放射タイプも)やLVT(キャタピラ付上陸艇)が、空爆シーンではF4Uコルセアが登場。また、トーチカや狙撃兵でしつこく粘る日本兵もなかなかそれらしく描かれている。 主人公に限らず兵士たちがふっと考え込むたびに回想シーンが挿入されるという、ちょっとうっとうしい手法がとられているが、一人一人の内面を表現したかったのだろう。 この映画は、後の太平洋諸島攻略戦ものにかなり影響を与えたようで、個人のモノローグが挿入される手法は「ビーチレッド戦記(1968)」や「シンレッドライン(1998)」でも使われている。日本兵の会話場面が多いというのも共通で、どうせなら3本とも観てほしいが。…一番の怪作は「ビーチレッド戦記」。(2006/8) |