太平洋戦線(その他)

 エンド・オブ・オール・ウォーズ To End Of All Wars 2001米 117分
監督:デビッド・カンニガム、出演:ロバート・カーライル、キーファー・サザーランド、木村栄、油井昌由樹  ★★★

実際に捕虜であった元英軍歩兵アーネスト・ゴードンのベストセラー小説「クワイ河収容所」を映画化。「戦場にかける橋」で有名な泰麺鉄道。捕虜たちの地獄のような日々を描いた映画だが、建設シーンは少なく、収容所内の出来事が中心。戦闘シーンらしきものはない。
奴隷以下の扱いを受けながら、いかに人間の尊厳を保つかに苦悩する主人公たち。敵は当然日本軍だから、戦後生まれの自分でも見ていて良い気分はしない。しかし途中から、もう相手が誰とかそういうことを思う余裕もなくなるほど、生き抜くことの苦しさと対峙させられてしまう。
新しい映画だから日本兵もやたらリアル。欧米人と日本人の精神構造の違いをそれなりに出しており、ただただ残酷な日本兵としては描かれていない。

なお、DVDパッケージにはなぜか爆撃を受けて逃げ惑う「ドイツ兵」が描かれているが、何かの手違いだろう。(2006/10)      原作本も読みたい→
 戦場にかける橋 1957米 2時間35分分 ★★★

監督:デヴィッド・リーン、出演:ウィリアム・ホールデン、アレック・ギネス、ジャック・ホーキンス、早川雪洲

橋の建設のため捕虜の士官まで労働させようとする日本軍司令官と、協定によって士官の労働を認めない英軍司令官の意地の張り合い。これは英軍の勝ち。しかしその後は一転、兵に目標を与え士気を高めるため自ら指揮を執って橋の建設を進める。もちろんそれは敵の軍事行動に協力することにもなる。だが人間として何かを成し遂げたいという欲求…。観ている者にも答えは出ないが、一方では橋の爆破任務を帯びた部隊がひしひしと迫る…。
実際の橋はコンクリート製だったようで、爆破の実態もかなり違ったらしいが。
日本軍の描写が例によってあちこち(服装、武器、話し方)変なので細かくチェックする楽しみあり。なお泰麺鉄道で走っていた機関車(C56)の実物が、靖国神社の遊就館に展示されてます。(2006/10)

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