紛争、傭兵もの(アメリカ軍関連)

 グリーン・ゾーン GREEN ZONE 2010  114分 

スタッフ:監督ポール・グリーングラス、製作:ティム・ビーバン エリック・フェルナー ロイド・レビン ポール・グリーングラス
製作総指揮:デブラ・ヘイワード ライザ・チェイシン
キャスト:マット・デイモン(ミラー)、グレッグ・キニア(国防総省クラーク)、ブレンダン・グリーソン(CIAマーティン)、エイミー・ライアン(新聞記者)

湾岸戦争のあと、イラクで大量破壊兵器を探す米軍の物語。ミラーはその部隊の指揮官として任務に就くが、情報どおりに向かった先はいつもも抜くのから。情報の出所を怪しみ発言を繰り返すが、上層部には聞き入れてもらえない。同じ疑問を抱くCIAの捜査官と協働しつつ、ミラーは真相を求めて単身深入りしてゆく。

<ネタバレ>
イラク戦争で大量破壊兵器なんかはなかったが、アメリカはイラク軍を排除し思い通りにイラクをコントロールしようとした。その裏を暴こうとした主人公の戦いを描いた映画ということろか。といってもサスペンスとしてすっきりした答えも出ないし、戦闘シーンも中途半端だし、見終わって消化不良な一作。しかも昨今流行りの手持ちカメラによる映像が多すぎて見てて疲れる。 (2020/8)
 ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! RENEGADES 105分  2017  

監督:スティーブン・クォーレ、製作:リュック・ベッソン ラファエル・ベノリエル
キャスト:サリバン・ステイプルトン、チャーリー・ビューリー、シルビア・フークス、
1995年、サラエボに出動したネイビーシールズ。隊員の一人が付き合った地元の女性は難民救済活動をしていたが、大戦中にナチスが運び込んだ金塊が湖に沈んでいると話す。それがあれば難民のため国のためにどれほど助かるか…。軍の正式な任務としてではなく、5人のシールズたちは金塊を求め隠密任務を実行に移す。

<ネタバレ>
ネイビーシールズ・シリーズか思わす邦題だが、軍の命令ではない勝手な行動で現代は“裏切者”…なのに軍のヘリや輸送機やおなじみの潜入・脱出に使うボートなど使い放題。最後は軍の命令により見事に任務完了という形に収まる超ご都合主義。ずっと美女がついて回るのも平凡。シリーズ番外編といった一作。オープニングの第2次大戦当時のシーンで、キューベルワーゲンやkfz222がちょこっと出たり、現代に戻ってからはカーチェイスばりに市内を爆走するT-72、後半はライトブルーけいのしゃれた迷彩柄のMig21と米軍ヘリの空中戦など、まぁまぁ楽しめます。
ヘリのパイロット役で「パール・ハーバー」や「ブラックホーク・ダウン」に出演してたユエン・ブレムナーが妙に懐かしかったりして。 (2020/5)
 山猫は眠らない6 裏切りの銃撃  SNIPER: GHOST SHOOTER  2016  100分   

監督:ドン・マイケル・ポール、製作総指揮:シャリース・ハニー、脚本:クリス・ホーティ、音楽:フレデリック・ワイドマン
キャスト:チャド・マイケル・コリンズ(B・ベケット)、ビリー・ゼイン(リチャード・ミラー)、ニック・ゴメス(ミゲル)、ラヴィル・イシアノフ(ガザコフ)、ステファニー・ヴォクト(ロビン・スレイター)、

ブランドン・ベケットは狙撃チームでの作戦中、突然どこからか狙撃を受け味方に死者が出る。敵ゲリラは高度な情報システムを使用し、米軍海兵隊員の位置を見つけていると思われる。ベケットは敵の大物ガザコフを追ううち、無人偵察機の情報を逆に利用され米軍のネットワークをハッキングされているとにらむ。米軍情報システムの弱点を認めようとしない女指揮官との確執を中心に物語は進むが、今回も狙撃シーンの緊迫感は薄れている。

<ネタバレ>
このシリーズも第1作に比べだいぶ描き方が変わり、物足りなさを感じてきた。しかし、それは実際の米軍内でのスナイパーの存在意義そのものが認知され、かつての様な”作戦の邪魔となる一匹狼”というイメージはなくなってきている。そういう意味でスナイパーのみをテーマにしたシリーズも限界かもしれない。狙撃ライフルを使ってはいるが、全体としては中東やアフガンでの対テロ戦争一般の映画となっている。(2020/11)
 山猫は眠らない5 反逆の銃痕  SNIPER: LEGACY  2014  98分 ★

監督:ドン・マイケル・ポール、製作総指揮:シャリース・ハニー、脚本:ジョン・ファサーノ、ドン・マイケル・ポール、音楽:フレデリック・ウィードマン
キャスト:トム・ベレンジャー(トーマス・ベケット)、チャド・マイケル・コリンズ(ブランドン・ベケット)、デニス・ヘイスバート(大佐)、メルセデス・マソーン(サナー・マリク)
米軍の元指揮官たちが次々と暗殺されるが、彼らは昔ある共通の作戦にかかわっていた事が判明。その作戦に参加したものを内定するうち一人の容疑者が浮かぶ。犯人を見つけるため部隊が編成されるがトーマス・ベケットもやられたとの情報が入り、息子であるブランドンは任務からはずされる。しかし基地を脱走し単独行動に出る…。遠隔操作の遠距離精密ライフルなど新兵器も登場するが、緊迫感の有る”狙撃”シーンは減って割と普通のアクション映画になっている。

<ネタバレ>
次の犠牲者となりそうな将校はゲリラとの戦いの指揮を執っている最中。そこで米軍、ゲリラ、犯人の暗殺者、捜索狙撃部隊、単独行動のブランドンらが入り乱れての派手な撃ち合いとなり、息をのむ狙撃映画とはだいぶかけ離れたものに。死んだはずの父と息子の再会シーンも、シリーズ化のため無理やりはめ込んだ感じ。まぁ標準的なできの対ゲリラ戦闘映画。(2020/10)
 アメリカン・スナイパー  American Sniper 2014年 132分   ★★★ 

監督・製作:クリント・イーストウッド、製作:ロバート・ローレンツ、アンドリュー・ラザー、ブラッドリー・クーパー
キャスト:ブラッドリー・クーパー(クリス・カイル)、シエナ・ミラー(妻タヤ・カイル)、ルーク・グライムス(マーク・リー)、ジェイク・マクドーマン(ビグルス)

イラク戦争で大活躍し“レジェンド”と呼ばれた実在の狙撃兵クリス・カイルの手記を映画化。
冒頭のネイビーシールズの訓練シーンを見ただけで、その先の展開にわくわくする。4回にわたる派遣でイラク側の凄腕スナイパーとの決闘を軸に、一般兵とは違う孤独で時に非情な狙撃兵の戦いが描かれ、現代戦の新たな一面を知ることができる。ドキュメンタリーとアクションの両面を持つ映画だが、身内や知人に兵士を持つアメリカ人とそうではない日本人とでは受け止め方にどれほどの開きがあるだろう。ラストの無音の実写シーンを見ながら考えさせられた。

<ネタバレ>
空輸能力の向上で、一定期間の派遣が済むとただちに本国へ帰ることになる。また犠牲者が出た場合も同様。時間軸に沿って戦場と日常の生活が交互に描かれるので、戦場の緊張感が長続きしないのがやや残念なところ。また戦闘の真っただ中でも、携帯で家族と会話できちゃうのも驚き。
駐屯地の塀の門が開いて兵員輸送車が飛び出してゆく様は、まるで砦を出発する騎兵隊みたい。そう思って見ると非力だが数で押してくるイラク民兵はインディアンのよう。そんな西部劇的要素が戦闘シーンを盛り上げて、アメリカ人には大うけ…かな? (2019/7)
 ローン・サバイバー  Lone Survivor  2013年 121分  ★★★

監督:ピーター・バーグ、製作:ピーター・バーグ、サラ・オーブリー、ランドール・エメット、ノートン・ヘリック
キャスト:マーク・ウォールバーグ(マーカス)、テイラー・キッチュ(マーフィ)、エミール・ハーシュ(ダニー) 、ベン・フォスター(マシュー)
アフガニスタン戦争でリーダーの殺害計画を立てた米軍ヘリボーン作戦に先立ち、4人の偵察隊が送り込まれる。しかし4人は山中で現地の羊飼いに遭遇してしまう。民間人を殺すわけにはいかず解放するが、その一人が反乱組織に知らせたため偵察隊の4人は4対200という絶望的な戦いの中に放り込まれる。ノンフィクションノベル「アフガン、たった一人の生還」をもとに実話が映画化された迫力のアクション映画。

<ネタバレ>
作戦開始までの描写がやや長く退屈するが、作戦の成功を不安視する兵がいたりして、その後の展開を思いぞくぞく感を楽しみたい。多勢に無勢でどんどん追い詰められてゆく展開は、それが米軍だけになかなか新鮮。助けに来たヘリがやられるのも実にイタイ。しかし4人の服装や装備はこれまたサバゲ―ファン、米軍コスプレマニアはたまらんだろう。最後の一人が救出される流れはちょっとあっけないが、実話に基づいているのだから仕方ない。(2018/12)
 ネイビーシールズ チーム6 Seal Team Six: The Raid on Osama Bin Laden  2012 101分  ★★

監督:ジョン・ストックウェル、製作:ニコラス・シャルティエ他、製作総指揮:フィリップ・B・ゴールドファイン
キャスト、カム・ジガンデイ、アンソン・マウント、フレディ・ロドリゲス、アルビン・“イグジビット”・ジョイナー、キャスリーン・ロバートソン
米軍特殊部隊によるオサマ・ビンラディン殺害作戦をドキュメンタリータッチで描いた一作。前半はオサマの所在を追うCIAの困難な操作が長々と続くが、ラストは一気に作戦決行となりアクションシーンに突入。

<ネタバレ>
特殊部隊の訓練シーンなどもあるが、どちらかというと実行に移すまでの諜報活動がメインでそこが面白みでもある。殺害作戦自体は暗闇シーンに暗視ゴーグルの映像中心で、ややストレスが溜まる。
エンドロールで登場人物の実写画像と、その後の中東情勢の解説がナレーションで入るのは親切。サバゲ―”インドア派”にもお薦めの一作。(2018/12)
 ネイビーシールズ ACT OF VALOR  2012  109分 ★★★  

スタッフ:監督スコット・ウォー マイク・マッコイ、製作マイク・マッコイ、スコット・ウォー
キャスト:エイルサ・マーシャル、ゴンザロ・メネンデス、エミリオ・リベラ
麻薬カルテルの大物がイスラム原理主義テロリストと結託し、アメリカの脅威となっていた。潜入捜査を行っていたCIAの男女が強襲され、男性は死亡、女性は拉致される。ネイビーシールズに命令が下り女性の救出に成功するが、探り出した情報から恐ろしい全米テロ計画が判明、新たな任務が始まる。ひたすらテンポよくシールズの作戦行動と、繰り出される贅沢なサポートメカの数々を楽しめる一作。

<ネタバレ>
この映画の良いところは、隊員間の確執とか余計なラブシーンとか複雑な政府の陰謀とか、他の映画にありがちな要素を極力省いている点。見たことない俳優が多いのも好感。それから潜入や撤収におけるサポート陣のメカ…強襲揚陸艦、ヘリコプター、無人偵察機、潜水艦、河川強襲ボートなど、アメリカ軍の装備の充実ぶりをたっぷり楽しむ事ができます。 (2020/4)
 山猫は眠らない4 復活の銃弾  Sniper: Reloaded 2011年 91分    ★★

スタッフ 監督:クラウディオ・ファエ、製作:クラウディオ・ファエ、脚本:ジョン・ファサーノ 
キャスト チャド・コリンズ(ブランドン・ベケット)、ビリー・ゼイン(リチャード・ミラー)、リシャール・サムエル(イェーガー大佐)、アナベル・ライト(エレン・アブラモウィッツ)
海兵隊のブランドン・ベケットは国連軍の一員としてコンゴの民間人救出に向かうが、謎のスナイパーに味方は全滅する。味方のかたき討ちのために軍を離れ単独行動をとるがかつてのトム・ベケットの部下ミラーはベケットを助けるべく後を追う。しかしスナイパーの目当ては先に救出しようとした民間人の方であった。スナイパーを追ううちにその背後の陰謀が明らかになってゆく。

<ネタバレ>

トム・ベレンジャーで続いたシリーズも限界とみたのか、その息子が主人公という設定で作っちゃうところが笑える。かつての部下役で若かったビリー・ゼインも太ってはげちゃって見ててちと辛い。それなりに楽しめる映画だが、スナイパーらしい緊迫感はあまり味わえなくなって物足りなさは残る。(2018/4)
 グリーン・ゾーン GREEN ZONE 2010  114分 

スタッフ:監督ポール・グリーングラス、製作:ティム・ビーバン エリック・フェルナー ロイド・レビン ポール・グリーングラス
製作総指揮:デブラ・ヘイワード ライザ・チェイシン
キャスト:マット・デイモン(ミラー)、グレッグ・キニア(国防総省クラーク)、ブレンダン・グリーソン(CIAマーティン)、エイミー・ライアン(新聞記者)

湾岸戦争のあと、イラクで大量破壊兵器を探す米軍の物語。ミラーはその部隊の指揮官として任務に就くが、情報どおりに向かった先はいつもも抜くのから。情報の出所を怪しみ発言を繰り返すが、上層部には聞き入れてもらえない。同じ疑問を抱くCIAの捜査官と協働しつつ、ミラーは真相を求めて単身深入りしてゆく。

<ネタバレ>
イラク戦争で大量破壊兵器なんかはなかったが、アメリカはイラク軍を排除し思い通りにイラクをコントロールしようとした。その裏を暴こうとした主人公の戦いを描いた映画ということろか。といってもサスペンスとしてすっきりした答えも出ないし、戦闘シーンも中途半端だし、見終わって消化不良な一作。しかも昨今流行りの手持ちカメラによる映像が多すぎて見てて疲れる。 (2020/8)
  リミット BURIED    2010年スペイン  94分  ★★

監督:ロドリゴ・コルテス、キャスト:ライアン・レイノルズ、ロバート・パターソン、ホセ・ルイス・ガルシア・ペレス
目が覚めると木の棺おけの中。しかも叩いても蹴ってもびくともしない土の中。ライターで灯りを得て自分の置かれた状況に愕然とする。危険を承知でイラクでのトラックの運転手の職を得てやってきた主人公が、携帯電話一つで助けを求め苦悩する。カメラが棺おけの中から一切外に出ないとんでもない映画。

<ネタバレ>
イラク戦争におけるアメリカ人の犠牲者は、兵士だけではない。非戦闘員として送り込まれ人質として命を落とした人もずいぶんいる。この映画の主人公は、トラックの運転手としてイラクで働く平凡なアメリカ人。映画評を見ると、パニック映画、脱出アクション映画としての低い評価が多い。
しかし戦争映画として見れば、このような一面を描いてアメリカという国家の闇をあぶりだそうという試みは評価できるのではないか。主人公を雇用した会社との契約条項をめぐるやり取りは、いくらなんでもこんなこと…と思わせる強烈なブラックジョークか。スペイン映画というところがまた興味をそそる。ただ舞台が棺おけの中だけで退屈しないようにと、いろいろイベントを用意しすぎた嫌いがあるのは残念。もっと無音で空白の時間があっても良かった。そのほうがより恐怖感、絶望感が増したんじゃないかと思う。 (2013/11)
 ハートロッカー THE HURT LOCKER  2008年  131分 ★★★ 

監督:キャスリン・ビグロー、出演:ジェレミー・レナー, アンソニー・マッキー, ブライアン・ジェラティ, ガイ・ピアース, レイフ・ファインズ
中東各地で紛争に足を突っ込み、あちこちで泥沼にはまってるアメリカ軍。その中でさらに過酷で孤独な任務をこなし続ける、爆弾処理班の兵士たち。主人公の心が蝕まれ、いつしかそれが普通、それが心地よくなってゆく異常を描く。

<ネタバレ>
戦線のない戦場。カメラワークもドキュメンタリータッチだし、音楽がほとんど入らないので不気味な空気感が伝わってくる。ゲリラと対峙した時の緊張感と疲労感も感じることができ、爆弾処理だけでなく、狙撃シーンも見どころ。部屋で一人きりで見てどっと疲れたい。見終わった感想を誰かと語り合うこともせず、ひたすら主人公と同化する。それがこの種の映画の楽しみ!
近年のアメリカ兵の装備はめまぐるしく変わるが、この映画でもかなり細かい所までチェックできるのでフィギュア・クリエーターやサバゲー・ファンにもお勧め。(2011/10)
 勇者たちの戦場  HOME OF THE BRAVE  2006年 107分   

監督:アーウィン・ウィンクラー、キャスト:サミュエル・L・ジャクソン、ジェシカ・ビール、カーティス・ジャクソン
イラクに派兵された3人の兵士たちが、帰国後に通常の生活に適応できずに苦悩する様子を描いた地味な一作。

<ネタバレ>
冒頭でイラク市街地での戦闘シーンがある。コンボイで移動中待ち伏せ攻撃を受けるが、これは「ブラックホークダウン」のワンシーンのような感じ。この映画は帰国後のドラマがテーマなので、あとはフラッシュバックで細切れに出るくらいで戦争シーンはない。
3人の兵士…一人は軍医(S・L・ジャクソン)、一人は輸送部隊の女性兵士(ジェシカ・ビール)…初めはそれぞれ別々に生活が描かれるので人間関係を把握するのがちょっとめんどくさい。そのうちつながりを持ち同病相哀れむでもって助け合うんだけど、最後までこれといった答えは出ず。一人は結局イラクに戻ることを決意する…「ハートロック」のパターン。というわけで“イラクものなら何でも好き”という人以外には退屈かも。
グループ療法を行うシーンでいらついた若造が、一人年配の男性を見つけて「あんたはいつの戦いだ?ゲティスバーグか?」と聞くと「サイゴンだ」と答える。「そんな前からいるってことは、こんな療法やっても役に立たねぇってことじゃねえか!」とぶち切れるシーンが印象に残る。(2012/11)
 山猫は眠らない3決別の照準 SNIPER 3 2004年米 90分   

監督:P・J・ピース、出演:トム・ベレンジャー、バイロン・マン、ジョン・ドーマン
ベトナムが舞台…というわけで前半の市内でのアクションシーンは、なんか香港B級映画みたいな気分。任務はあっさり失敗するし、何だかなーと思ってると、農村地域へ移ってベトナム戦争での体験がプレイバックし、ベケット自身が諜報活動に巻き込まれたことを察し謎解きを始める、という後半が実は見もの。

トム・べレンジャーがだいぶ太っちゃって、動きにイマイチ切れがないのが気になって辛い。
3作続いて毎回違ったシチュエーションに挑戦する姿勢は悪くないが、私はやはり第1作目がベストと思います。
(2008/10)

 
 山猫は眠らない2 狙撃手の掟 SNIPER 2   2002年米   90分  

監督:クレイグ・R・バクスリー、出演:トム・ベレンジャー、ボキーム・ウッドバイン、エリカ・マロジャーン

はっきり言って前作の方が見ごたえあり。
退役している主人公に政府が半強制的に危険任務を依頼してくるところは「ファイアーフォックス」風。現地連絡員が若い女ってとこは「ランボー2」風。東側の戦闘車両に追われるシーンは「エネミーライン」風。最後の廃墟での敵スナイパーとの一騎打ちは「スターリングラード(主演ジュードロウ)」風。何でこんな映画作る必要があったのか理解に苦しむ。前作が良かっただけに残念。 続編3も出たが…。((2007/7)




 エネミー・ライン  BEHIND ENEMY LINES   2001年米  106分  ★★★

監督:ジョン・ムーア、キャスト:オーウェン・ウィルソン、ジーン・ハックマン、ガブリエル・マクト
停戦合意後も小競り合いの続くボスニア。米軍の偵察機F/A-18はセルビア軍のミサイルに撃墜される。救出に出動したい米軍だが、NATO軍の指揮下で身動きできず。パイロットは一人絶望的な状況で脱出をはかる。

<ネタバレ>
米軍は空母カールビンソンとF/A-18、セルビア側はT-72やBMP-1などがじっくり楽しめる。冒頭のF/A-18と地対空ミサイルの追いかけっこをはじめ見どころてんこ盛り。冷戦終結後は悪役としてはセルビア軍は実にはまり役?装備はソ連製だし、セルビア語の響きも不気味。女子供も容赦なく殺しちゃうというひどい描かれよう。
偵察衛星による赤外線映像や、地雷原の派手なアクションも見ものだが、部隊を離れて一人追い続ける狙撃兵だけはまるで「山猫は眠らない」みたいで減点。NATOフランス軍も出てくるけど助けずに帰っちゃう。結局指揮官解任覚悟で救出命令を下すジーン・ハックマンのかっこよさ。かつてのジョン・ウェインみたい。最後は国際法上どうなのかわからないけどアメリカ軍強い!無敵!正義は勝つ!ってパターンでめでたし、めでたし…?
続編「エネミー・ライン2 -北朝鮮への潜入-」はお薦めできません。内容どうこうよりもとにかく映像が見にくくて、目が疲れて、もういらいらするばかりで…。さらに「エネミー・ライン3 激戦コロンビア」もあるらしい。まだ見てません。それから「セイビング・フロム・エネミーライン」「ビハインド・エネミー・ライン」「ホステージ・オブ・エネミーライン」といくつも出てるけど、本シリーズとは関係ないので要注意。   (2011/5)
 ブラックホーク・ダウン BLACK HAWK DOWN 2001年米 145分  ★★★★♪ 

監督:リドリー・スコット、製作総指揮:ブランコ・ラスティグ、チャド・オマン、マイク・ステンソン、サイモン・ウェスト、原作:マーク・ボウデン、音楽 リサ・ジェラード、ハンス・ジマー、脚本:ケン・ノーラン、スティーヴン・ザイリアン
出演:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、サム・シェパード、エリック・バナ、ジェイソン・アイザックス、ジョニー・ストロング、ウィリアム・フィクトナー、ロン・エルダード

1993年ソマリア内戦でのアメリカ軍の無謀な作戦を実話に基づき描いた、超リアル系大作映画。
反乱軍の将軍を拉致するためにブラックホークリトルバードによる空中強襲と、ハンヴィーによる陸上部隊の共同作戦。当初30分程度で終了するはずがソマリア民兵の予想外の抵抗で犠牲者が続出。部隊がいくつにも分断され追いつめられてゆく様は「遠すぎた橋」の英第1空挺師団を見るよう。
ヘリからのミニガンで民兵をなぎ倒す容赦ない攻撃。ズダボロになりながら走り続けるハンヴィー。繰り返し撃ち込まれるRPG。何度見てもひとたび戦闘が始まると目が離せなくなる迫力。勇ましいマーチなどは聞かれず、美しくも不気味に静かな中近東ミュージックがさらに効果大。
ここでのもう一つの楽しみは、何といっても湾岸戦争後の米軍兵士の個人装備。デルタフォースレンジャーのそれぞれの個性。ミニミやM60、M16、M4カービン、H&Kに混じってM14を使用している者もいる。サバゲーファン、フィギアモデラー必見。
女優がまったく出てこないのもの見所。「プライベート・ライアン」や「パールハーバー」ですっかり戦争映画づいたT・サイズモアが「俺に弾は当たらんのだ」とばかりに戦場で仁王立ちするかっこよさ。また「パールハーバー」でどもりの兵だったユエン・ブレムナーがここでも変な役回りになってたりして。ラストで兵士達が自分達に言い聞かせるように吐くセリフがなんとも空しく、いくらなんでもこれじゃ映画館でアメリカ人も意気消沈だろう。(2009/7)
 英雄の条件  RULES OF ENGAGEMENT 2000年米 130分 

監督:ウィリアム・フリードキン、出演:トミー・リー・ジョーンズ、ガイ・ピアーズ、サミュエル・L・ジャクソン

中東諸国では反米感情から、戦争や紛争までに至らないトラブルもたくさん起きている。
イエメンのアメリカ大使館で起きた暴動で、一般市民殺人の罪で米軍大佐(S・L・ジャクソン)が軍法会議にかけられる。その大佐の弁護を引き受けたのは、かつてベトナムでの戦友(T・リー・ジョーンズ)。冒頭で二人のその後の運命を決定したともいえるベトナムでの激戦シーン。そしてイエメンの米大使館では最新装備の米海兵隊によるレスキュー作戦を見ることができるが、物語の中心は軍法会議とその準備、およびおきまりの裏の駆け引き。
正義は守られるというエンディングでハッピーエンドだが、それはあくまでアメリカにとっての正義じゃないか?…と鼻につく人もいると思う。(2008/8)



 G.I.ジェーン  G.I. JANE  1997年米  126分  

監督:リドリー・スコット、出演:デミ・ムーア,ビーゴ・モーテンセン

女性兵士が特殊部隊SEALの訓練に参加し、差別、偏見、地獄の訓練に立ち向かう。政治家に利用されたりするも何のその。どこまでも力強く突き進む。現用アメリカ軍ファンには楽しい映画。
実戦さながらの過酷なSEALの訓練をこれでもかと見れるし、最後は突発事故ともいえる実戦参加まで用意されている。もちろん最後はハッピーエンド。アメリカ軍強い!最強!って映画。
この手の映画はラストでいつも派手にどんぱちやって決着つけちゃうけど、ほんとなら国際問題になって後が大変でしょ。 (2008/8)

 山猫は眠らない SNIPER   1992米 100分    

監督:ルイス・ロッサ、出演:トム・ベレンジャー、ビリー・ゼイン、J・T・ウォルシュ

現代米軍の狙撃兵を主役に置いた注目作。

戦争ではなく、パナマの麻薬王を暗殺する任務だが、一人の目標を確実に倒すまでの緊張感がすごい。他の米軍歩兵部隊との仲の悪さ、パートナーとのチームプレーの難しさなどもさりげなく描かれ、これが狙撃部隊ってものかと見入ってしまう。
一晩中干草の中に身を潜めたり、池の中に身を沈めて眠ったり。敵大部隊からの逃走あり、敵スナイパーとの一騎打ちの心理戦あり。
使用銃もオタクに嬉しいM40A1H&K・PSG-1、対する相手はドラグノフとサバゲーファン必見の映画。(2008/3)

 ア・フュー・グッドメン   A FEW GOOD MEN  1992年  137分 ★★

監督:ロブ・ライナー、キャスト:トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーア、
ケヴィン・ベーコン、キーファー・サザーランド
海兵隊基地内で起きた死亡事故の真相を暴くため、主人公の弁護士が活躍する完全軍事裁判ドラマ。二枚目弁護士T・クルーズをバックアップする美人上官デミ・ムーア。相手の検事役をK・ベーコン。そして大物悪役大佐をJ・ニコルソン。他のわき役もなかなか贅沢な布陣で間違いなく楽しめます。

<ネタバレ>
ただし戦闘シーンはもちろん、基地内でのお決まりの訓練シーンなどもない。ひたすら法廷及び法廷に臨むための自宅での作戦会議、基地内での被告人との面接といたって地味ながら、最後の最後はスカッとできる一作。  (2010/6)


 エイセス/大空の誓い ACES: IRON EAGLE III  1991米  99分  

監督:ジョン・グレン、出演:ルイス・ゴセット・Jr、サニ千葉、クリストファー・カザノフ

シリーズもの大三作で主人公達再登場。
第二次大戦の英米日独4人のベテランパイロットが、プロペラ機を駆使して活躍するB級アクション。
ペルーの麻薬組織。その首領がナチスの生き残りって設定。そいつらをやっつけるため4人が操縦するのはP‐38、スピットファイア、ゼロ戦、Me−109!
ユーゴスラビアのガレブというジェット戦闘機(ミグ17やF86世代?)と空中戦。
最後はドイツの対戦中の秘密兵器 Me263(もちろん実機ではない)というまるで日本の震電をジェット化したような不思議な戦闘機も登場。
地上のアクションシーンも多いので空戦に期待するとやや消化不良だが、4機の編隊飛行シーンは実に美しい。
ただしゼロ戦役はおなじみT-6テキサン、Me-109役はムスタングなので、やっぱ敗戦国の実機はほとんど現存してないんだなぁ…とあらためてしんみり。(2006)ビデオ
 ネイビーシールズ Navy Seals 1990年アメリカ  113分  ★★

監督:ルイス・ティーグ  キャスト:チャーリー・シーン、マイケル・ビーン、ジョアン・ウォーリー
米海軍特殊部隊“ネイビー・シール”の活躍を描いたアクション映画。テロリストの手に落ちた海軍パイロットの救出作戦で幕が開くが、首謀者を逃がしたうえスティンガーミサイルも敵の手にわたってしまう。取られてしまう。ミサイルの隠し場所を探り当て奪還するという新たな任務が課せられる。
隊員間のいざこざや葛藤あり、レバノンの美人情報通とのラブシーンあり、冒頭とクライマックスに派手な戦闘シーンありで楽しめるが、30年も前の映画なので現在のものと比べるとアクションシーンの迫力は今一つなのはしかたないか。

<ネタバレ>
主演はC・シーンのはずなんだが、任務中でもおっちょこちょいで短気でそのせいで仲間に犠牲者が出たりする。ヒロインとのラブシーンも相手はマイケル・ビーンの方だったりしてなんか不思議。ラストに敵側の戦闘車両に旧ソ連のBTR152が登場。  (2020/2)

 メタル・ブルー アイアン・イーグルU  IRON EAGLE II/METAL BLUE/IRON EAGLE II  1988年米  105分

監督:シドニー・J・フューリー、出演:マーク・ハンフリー、ルイス・ゴセット・Jr、スチュアート・マーゴリン

中東の某国(架空の国だが、地図では明らかにイラク、国旗はイランとイラクと北朝鮮を混ぜたデザインなのが笑える)のミサイル基地を破壊するため、冷戦中の米ソが協力して作戦を敢行。しかし集められたメンバーは優秀とはいえない上、協調性もなくけんかばかり。雪解け推進のために大統領がじかに話し合って決めたというが、裏にちょっとした陰謀もあり。あわや作戦は水の泡に…というところで一山も二山もあってだめメンバー達は一致団結!
アイアン・イーグルシリーズ第2弾。イスラエルで作戦開始ということでF-16役はクフィルだが、ミグ役がファントムってのが何とかならなかったか。ラストはミラージュを繰り出して空中戦。陸の戦いではソ連の装甲車としてM-113に安っぽい改造砲塔つけたのだが、敵はBTR−152、6輪車が地味だけど見もの。自動小銃はガリルなんかも使ってる。とにかくB級だけど、割り切って見ればジェット機が飛び回るシーンがけっこう楽しめるかも。(2008/11)
 ハートブレイク・リッジ HEARTBREAK RIDGE 1986米 2時間10分 ★★★

監督:クリント・イーストウッド、出演:クリント・イーストウッド、マーシャ・メイスン

朝鮮戦争の英雄老兵が、海兵隊の実戦未経験新兵ばかりのだめ部隊を叩き上げてゆくドラマ。
その老兵をイーストウッドが演ずるのだから面白くないわけはない。訓練や演習シーンが中心で実戦シーンはラストで少し…実際にあったグレナダ侵攻だが、ここでも戦争の悲惨さはわずかでスポーツのよう。
別れた女房も最後には温かく迎えてくれる…このラストはない方が良かったと思うなー、個人的には。(2007/1)


 トップガン Top Gun  1986米 110分  ★★

監督:トニー・スコット、出演:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、ヴァル・キルマー、アンソニー・エドワーズ、メグ・ライアン

米空軍のエリートパイロット集団に入隊した主人公。美人教官との恋、親友の事故死などにあいながらもトップパイロットとなってハッピーエンド。青春映画のノリで今見ると、80年代のファッション、ダサいロックBGMもちと辛いが、ジェット戦闘機映画としては大ヒットし、後から後から似たような映画が作られました。
とはいえ訓練シーンと後半の実戦シーンとふんだんにF−14の勇姿が楽しめる。特に空対空ミサイル発射シーンがいい。訓練ではスカイホーク、実戦では敵ミグ役にF−5タイガーその他飛行はしないが空母艦載機のA6イントルーダーE2Cホークアイなども登場。今では退役してしまってる海軍機も見れるので、記録映画として保存版にしたい。(2008/11)

 アイアン・イーグル  IRON EAGLE  1985年  116分    

監督:シドニー・J・フューリー、キャスト:ルイス・ゴセット・Jr、ジェイソン・ゲドリック、デヴィッド・スーシェ
中東で訓練飛行中に撃墜され捕虜となり、なんと死刑を言い渡された大佐。救出に動こうとしない軍に業を煮やした大佐の息子(J・ゲドリック)は、退役軍人(ルイス・ゴセット・Jr)と組んでF-16による決死の救出作戦を試みる。

<ネタバレ>
まずこんな事ありえないというアメリカン脳天気青春スカイアクションコンバット映画だ。F-16と敵軍ミグ(演ずるはミラージュみたい)の飛行シーンは美しいが、戦闘シーンそのものは割りと雑。だいたいストーリーに意外性はなく、エンディングもお決まりのパターン。
本作戦とは関係ない部分が前半に多いので、戦争映画としてより青春映画として力を抜いてみるべし。80年代BGMローックミュージックに服装やヘアスタイルも今見るとダサいのはガマン。  (2010/5)

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