南北戦争関連映画  1990年以降の作品 

私がこれまで観たものです。タイトルのリンクがあるものはアマゾンで購入できます。

 タイトル  お薦め度★   内容コメント  私のお気に入り
 サハラ 死の砂漠を脱出せよ  SAHARA  2005年   124分    

監督:ブレック・アイズナー、キャスト:マシュー・マコノヒー、ペネロペ・クルス、スティーヴ・ザーン

南軍のジェファーソン・デイビス大統領は金貨発行を計画したが、そのような記録には残っていない。しかしサンプルとして作った5枚の金貨のうちリージャクソンスチュアートジョンソンの4人の将軍に与えられたという4枚の金貨が発見されている。そして残る1枚は装甲艦の有能な艦長に渡されたが、その装甲艦テキサスはアフリカ・ニジェール川で沈没した…。というわけで謎の金貨を追い続ける主人公はアフリカへ。伝染病と戦うWHOの美女やマリの独裁者なんかが登場しての三つ巴で追いつ追われつのアクション・アドベンチャー。(見てないけど)インディージョーンズの二番煎じかな?って映画だけど、まぁ標準的作品で見て損はない作品にはまとまっています。当然リアルさ追求の人には無理よ。

というわけで南北戦争映画ではないし、なんでアフリカの奥地で沈んだのかわからないけどテーマが南北戦争関連ということで、ちょっとだけ楽しめる。主人公の机の上には装甲艦のモデル。そしてラストには実物大のレプリカ。ただしこの映画に登場する装甲艦、モデルになっているのは実は北軍の装甲艦だ。デザインがかっこいいのでこっちを選んだのかな。南軍の装甲艦は地味なデザインなので…。最後は派手な銃撃戦もあって、M-60、M113、イロコイスなんかも出てきます。 (2012/12)

USS Cairo Museum のサイト http://www.nps.gov/vick/u-s-s-cairo-gunboat.htm
 アメリカン・アウトロー AMERICAN OUTLAWS  2001年  ★★

監督:レス・メイフィールド、出演:コリン・ファレル、スコット・カーン、アリ・ラーター、キャシー・ベイツ

南軍不利が決定的となった戦況下、ジェシー・ジェームスやコール・ヤンガーは正規軍とは違う遊撃隊(ライダース)として北軍相手に
果敢に戦いを挑み続けていたが、遂に南軍降伏の報に接し故郷ミズーリに帰った。しかしそこで見たのは鉄道敷設のために国策として農民の土地を強引に買い取る鉄道会社と、苦しめられる故郷の農民たちの姿だった。ジェシー・ジェームスは兄フランクやヤンガー兄弟と共に、この鉄道会社に関係する銀行や列車を襲うことを決意。鉄道会社の雇ったピンカートン探偵団と真っ向勝負を挑むのだった。

伝説のヒーローとなったジェームス&ヤンガー兄弟の活劇ということで「ロングライダース」と同じテーマだが、アクションシーン満載のスカッとした作品。
冒頭に南北戦争の終戦直前の戦闘としてワンシーンだけあるが、敗戦に次ぐ敗戦で疲弊しきった南軍というイメージとは程遠く他には見られない痛快アクションタッチ。強盗団結成までの経緯も描かれ、最近の映画にしては珍しく95分と短くラストも希望に満ちたものにまとめられており、手軽に見れる一本。 (2015/4)
 コールド・マウンテン COLD MOUNTAIN  2003米 155分  ★★★

監督:アンソニー・ミンゲラ、出演:ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、レニー・ゼルウィガー

1864年、南軍の劣勢は続き、アトランタ陥落後リッチモンドめざして進攻する北軍を迎え撃つピ−ターズバーグの戦いが冒頭で描かれる。古い戦争画を実写化したようなすさまじい描写だが、戦闘シーンはそこだけ。あとは敗残兵と無秩序な世界で殺人を続ける暴徒集団の非情な行動が繰り返し…とにかく戦線後方の地獄が描かれる。

物語の軸は、またアメリカ映画おなじみの“歴史に翻弄される男女の大恋愛ドラマ”…かと思いきや、予想外の展開。戦争の凶器をあまりに見すぎた主人公は、無事ヒロインの元に戻っても幸せをつかむことはできない、というむしろ納得のラスト。戦いを生き延びた人々が、たくましく生きて行くラストシーンに救われる。
「プライベートライアン」の衛生兵ウェイドが、途中で情けなーい役で出てます。残念!

 ギャング・オブ・ニューヨーク GANGS OF NEWYORK 2002米 168分  

監督:マーティン・スコセッシ、出演:レオナルド・ディカプリオ、キャメロン・ディアス、ダニエル・デイ・ルイス、リーアム・ニーソン、ヘンリー・トーマス

19世紀初頭のニューヨーク。アイルランド移民集団の縄張り争い。幼くして目の前で父を殺された主人公が、大人になって復讐のために戻ってくるが…。

南北戦争そのものは描かれておらず、出兵する兵の行進と、徴兵受付のシーンくらいだが、この当時のニューヨークの描写は珍しいので見ておきたい。
南北戦争映画というのはほぼ南部が舞台。しかも地方の名もない町が戦場になることが多く、一般の西部劇に登場する町並みと特に変わらないものがほとんどなので、ここに描かれる大
都市ニューヨークは独特である。ギャングの抗争と町の暴動(実際もあった)がクロスしてややわかりづらいが、結局は軍の大砲にすべて吹っ飛ばされるというところが皮肉。やっぱ政府軍(北軍)は強力!

 シビル・ガン 楽園をください Ride With The Devil  1999アスミックビデオ138分

アン・リー監督、トビー・マクガイヤ、スキート・ウーリッジ ★★★ 

中立州ミズーリ。そして主人公はドイツ移民という設定。
中立といっても平和を意味するのではない。どちらの側につく事もできないほど内部では 激しい対立があったのだ。そこに悲劇がある。
もともと制服の支給が充分でなかった南軍だが、主人公たちはゲリラ組織であるため、 完全な私服の部隊。またマスケット銃やライフル銃も少なく、ほとんどピストルでの戦い。戦闘シーンは少ないが、軍隊同士の戦いにはない狂気と悲惨さも描かれる。 一般の映画評は低いようだが、南北戦争の別の一面を見せた作品として捨てがたい。ただ邦題がまずかったように思う。

 アミスタッド AMISTAD 1997アメリカ ★★★
 
マシュー・マコノヒー、アンソニー・ホプキンズ、モーガン・フリーマン 155分

スペインの奴隷運搬船で反乱が起きるが、アメリカに拿捕される。弁護人(主人公)たちの働きでイギリス領におけるポルトガルの違法行為が判明。
しかし、奴隷解放論者たちの勢力拡大を恐れる南部はこれに反発。南北対立を懸念する大統領は裁判のやり直しを命ずる…。

南北戦争勃発までの経緯を理解する上で見ておくべき作品。 南北戦争シーンそのものはラストに15秒しかないが。 (…フィルム流用じゃないようだ、贅沢!!)
監督・撮影・音楽は「プライベート・ライアン」コンビ。

 ゲティスバーグの戦い Gettysburg  1994 アメリカ  ★★★★ 
 
トム・べレンジャー、ジェフ・ダニエルズ、マーティン・シーン 2巻145/115分

南北戦争のミッドウェイ!ゲティスバーグの戦いを時間にそって詳細に描いている。 リー将軍、ロングストリート将軍、北軍ミード将軍をはじめ戦いに参加した将兵がすべて登場。付近一帯の地図と、三日間の戦闘の流れを前もって書籍などでチェックしておくべき。できれば主な将軍のプロフィールなども。
 南北戦争前夜 Class Of '61 1994米 監督Gホブリット 製作総指揮S・スピルバーグ 劇場未公開94分 ★★

タイトルどおり開戦までが中心。敵味方に分かれてしまう士官学校の青年たちの苦悩。
しかし最初の本格的戦闘となったブルランの戦い(S・Wジャクソン将軍の勇姿!)がラストに描かれている。

 ダンス・ウィズ・ウルブズ Dance With Wolves 1991 ★★★
 
監督・主演ケビン・コスナー181分 TW
 
戦闘シーンは冒頭のみ。 戦争の蚊帳の外であった西部を自ら選び単身赴任した北軍中尉。見る者の人生観に問いかけるテーマである。
この映画の後、インディアンのことをネイティブ・アメリカンと呼ぶようになった。すごい!

 リンカーン 合衆国を統一した男 The Perfect Tribute 1990米
  
監督ジャックベンダー、出演J・ロバーツ、C・スコット
 
ゲティスバーグで負傷し捕虜となった南軍兵士。 その幼い弟が兄に会うべく単身ワシントンへ向かい、戦争の悲惨さ、南軍劣勢の現実に向き合う。
一方、ゲティスバーグの演説を準備するリンカーンが平行して描かれるがどうもちぐはぐ。戦闘シーンは迫力不足だし、リンカーンは似てないし残念!また、邦題は明らかにミス。原題は「完璧なる賛辞」

       映画総索引 Copyright 2006 S・Sugiyama