西部戦線  (2010年以降の作品) World WarⅡ2 Western Front

   ダンケルク  DUNKIRK 2017年 106分 イギリス,アメリカ,フランス  ★★  

監督:クリストファー・ノーラン、製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ、脚本:クリストファー・ノーラン
キャスト:フィオン・ホワイトヘッド(トミー)、トム・グリン=カーニー(ピーター)、ジャック・ロウデン(コリンズ)、ハリー・スタイルズ(アレックス)

ダンケルクに追い詰められた英仏軍が奇跡の撤退作戦を成功させる過程を、陸海空軍それぞれの戦いと民間人の協力を同時進行で描いたユニークな作品。空中戦や英海軍駆逐艦を襲うドイツ爆撃機など、実機を使ったシーンはなかなかの見もの。イギリス軍とフランス軍の兵士レベルでの確執なども。寒々としたドーバー海峡の描写も新鮮。

<ネタバレ>
兵士、戦闘機パイロット、自前の船で救出に向かう民間人それぞれの視点でダンケルクの撤退を描く手法はこれまでなかったが、同時進行で場面が変わるので最初は戸惑うかもしれない。小型の英艦船を低空で爆撃するHe111、それを取り巻くスピットファイアとMe109の空中戦なども数が少ないながら見ていてわくわくできる。ただ最後に燃料切れで滑空してるだけのスピットファイアが、急降下するJu87を撃墜するくだりは首をかしげる。 (2020/3)


  フューリー Fury 2014年 135分  ★★★★ 

スタッフ 監督:デビッド・エアー、製作:デビッド・エアー、ビル・ブロック、イーサン・スミス、ジョン・レッシャー
キャスト ブラッド・ピット(ドン)、シャイア・ラブーフ(ボイド・バイブル)、ローガン・ラーマン(ノーマン・エリソン)、マイケル・ペーニャ(ガルシア・ゴルド) 、ジョン・バーンサル(クーンアス)

ヨーロッパ戦線終焉まじかの1945年5月。ドイツ国内を進撃するアメリカ軍に対し各所で無益な抵抗を続けるドイツ軍。M4シャーマン戦車長ドンはドイツ軍戦闘親衛隊に異常な憎しみを持っていた。ヒトラーユーゲント(少年兵)の無謀な肉薄攻撃、歩兵を随伴した対戦車砲陣地攻略、市街戦、タイガーⅠとの一騎打ち。そしてラストは敵歩兵大隊との捨て身の死闘。何か所か突っ込みどころもあるものの、「プライベートライアン」でアメリカ軍歩兵映画を堪能した後はこの戦車映画で満足。

<ネタバレ>
撃ち合いシーンでこれまでの映画にはなかった蛍光弾がふんだんに描かれ、新鮮さを通り越して「スターウォーズ」みたいになっちゃってるのが困りもの。タイガーⅠはこれまでの改造車両ではなく英ボービィントン博物館から借りてきた(ただし初期型)本物の複合転輪!じっとしてりゃあいいのにわざわざ飛び出してきてM4に回り込まれるのはいかがなものか。クライマックスの戦闘シーンもかなり無理。すぐに日が暮れて真っ暗になるのにドイツ歩兵は及び腰。パンツァーファースト一発で片付くのにしまいには狙撃兵まで出してくる必要ある? それからなぜ主人公はあそこまで親衛隊を憎んでいるのか、その理由がイマイチ謎なのも残念。 (2018/4)
 ザ・フューリー 烈火の戦場  SAINTS AND SOLDIERS:THE VOID 2014 ★★★ 

監督;ライアン・リトル、キャスト:ダナー・ジェラルド、マット・ミーゼ、マイケル・ベアレンズ、ジョエル・ビショップ

1945年2月、ドイツ軍降伏目前の西部戦線。ドイツ軍必死の抵抗の前に孤立するアメリカ兵と駆逐戦車M18ヘルキャット2輌。待ち伏せ攻撃をたくらむドイツ軍Ⅲ号戦車3輌を撃破すべく、奮闘する寄せ集め部隊の戦い。「フューリー」のヒットにあやかったもろパクリ邦題はいただけないが、監督はR・リトル、そして原題は“SAINTS AND SOLDIERS~”ということで、これはあの隠れた名作「極寒激戦地アルデンヌ」の続編“戦車版”ともいえる作品。

<ネタバレ>

M18ヘルキャットは駆逐戦車とはいえ装甲は薄く、砲はM4シャーマンと同じ。その代わり速度は80kmも出るという完全なヒットエンドラン狙いの戦車である。
この映画でもその弱点を前面に出し、非力なⅢ号戦車(50mm長砲身)相手ながら苦戦を強いられるところが見どころ。ストーリーの軸は、黒人兵と黒人に偏見を持つ白人兵が激しい戦闘を通して最後に和解するというべたなもの。だがⅢ号戦車もよくできているし(砲身がやや長すぎるが)、上官を撃ち殺して降伏する少年兵も末期らしくてよい。ヘルキャット内部の描写も細かく、本家「フューリー」に比べたらこじんまりした感は否めないが、マニア向けのB級作品として愛すべき一作。 (2015/10)
 カンパニー・オブ・ヒーローズ COMPANY OF HEROES  2013 100分  

監督:ドン・マイケル・ポール 出演:トム・サイズモア、チャド・マイケル・コリンズ

ドイツ軍の大反攻作戦「バルジの戦い」で孤立したアメリカ軍一個小隊。ドイツ軍の戦線深く入り込み、偶然にも原子爆弾計画を察知する。一刻を争う状況の中、危険を侵し敵地深く乗り込み計画阻止のために無謀な戦いに挑む。

<ネタバレ>

冒頭の戦闘シーンで「プライベートライアン」系のリアル戦争映画を期待するが、T-34改造戦車があまりに醜悪。「攻撃」(1956年J・パランス)以来の醜悪さ。その他無改造のSu-100も一台だけ出てくる。あと撃たれた兵がやたら血のり吐くだけにとどまらず、倒れた兵が戦車に轢かれつぶれるシーンまであり、何だかスプラッタ映画みたいな一面も。
普通の歩兵が原子爆弾の情報を奪うってあんまりな展開。ラストのB-17の超低空飛行もがっかり。もとはゲームの映画化らしいので割り切って。60年代に盛んに作られたアクション大作を今作ったらこうなるのかな…という一作。 (2014/10)
 ロンメル ~第3帝国最後の英雄~  ROMMEL 2012年 124分 ドイツ,フランス,オーストリア   (西部戦線 2010年~)

監督・脚本:ニキ・シュタイン、キャスト:ウルリッヒ・トゥクール、ベンヤミン・サドラー、アグライア・シスコヴィッチ、トマス・ティーマ

“砂漠の狐”で名高いロンメル将軍をノルマンディー上陸の少し前から、ヒトラー暗殺計画に加担した罪に問われその生涯を終えるまでを描いた割と地味な作品。ロンメルとその周辺の人物を淡々と描いており、ヒトラーに心酔していたロンメルが時代に心変わりしてゆく様をていねいに追ってゆく。戦闘シーンは少なく、それを期待してみていると肩透かしを食らうので要注意。

<ネタバレ>
西方の壁構築をヒトラーから任され海岸線を視察するシーンはよくできていてわくわくできるが、その先の上陸作戦自体は猛烈な艦砲射撃の実写フィルムで終わってしまう。内陸部の戦闘でネ―ベルヴェルファーの射撃シーンがちょっと新鮮。待機する3号戦車と兵たちに檄を飛ばすロンメルだったが、連合軍の描写もなく激しい砲撃で3号戦車はあっさり全滅。市街地で炸裂する砲撃が明らかにCG処理だったりしてがっかり。後は上陸前にスピットファイアの機銃掃射を受けるロンメルの車列にkfz222軽装甲車がいるくらい。(2020/4)


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