現代・朝鮮・ベトナム戦争関連

歴史群像アーカイブVOL.5 アジア紛争史
これまで歴史群像に掲載された記事の再掲ではあるが、アジア紛争としてまとまったものは少ない。ベトナム戦争や朝鮮戦争関連の本は多いが、
国共内戦及び中台紛争についての記述が珍しく貴重。またベトナム戦争前後の複雑でわかりにくいインドシナ戦争カンボジア内戦の記述もよい。
我々はなぜ戦争をしたのか
NHKで放映があった(1998年8月)ものを一冊にまとめたもの。“前代未聞の対話”と帯にあるように、アメリカとベトナムの両戦争指導者が非公式に対話したもの。双方の価値観の違いはもちろん、相手に対する偏見、事実誤認の決めつけなど、真実がわかっていればこれほどの死傷者が出ずにすんだかもしれない…とあらためて思わせる。戦後にこういった検証が行なわれるケースは少ないだけに、読み応えあり。
ラムゼー・クラークの湾岸戦争 いま戦争はこうして作られる
「真珠湾奇襲はばれていた、日本ははめられたのだ」という疑惑はいまだに後を絶たないが、これを読むとやはりアメリカのやり方は…という気がしてきてしまう。それでも中東でアフガンでアメリカは戦い続ける。なぜそれを阻止できないか…考えれば考えるほど空しくなってしまう。
中東戦争全史
イスラエル対アラブの戦いを中心に、多国が複雑にかかわりあった中東戦争の教科書。
特にミリタリーマニアには両国が第2次大戦後、欧米諸国から様々な兵器を手に入れていった過程がおもしろい。
仏ホチキス戦車独4号4突Me‐109G米B-17まで使用していたとは感動ものである。
湾岸戦争 兵器ハンドブック 朝日ソノラマ
タイトルは「
湾岸戦争」だが、実は半分強のページを割いている「フォークランド戦争」の記述が貴重。どちらの記事も戦争の背景、発端、経過はもちろん、使用火器、登場した車輌・航空機・艦船の詳細な分析まであり読み応え充分。戦艦(米・ミズーリ、ウィスコンシン)が実践参加した最後の戦争と、戦略爆撃機(英・バルカン)が実践参加した最後の戦争。核時代に起きた通常兵器による二大戦争を隅々まで知ることのできる超お薦め本。