西部戦線(’50年代作品)

  Die Brucke 1959 西独 白黒 104分  

終戦間際の4月、ドイツ国内。ろくに訓練も受けていない少年兵7人が名もない橋の守りにつく。
 
前半は普通に学校に行き、女の子とデートをし、父親と喧嘩する10代の少年たちの日常が描かれる。
少年たちやその家族にたっぷり感情移入してしまうので、後半突如現れる米軍が実に不気味。張りぼて作成のM4シャーマン(?)だが、エンジンやキャタピラの音だけ聞こえ、なかなか姿を現さない演出はみごと…プライベートライアンはここをパクッたのではないか。
MG42パンツァーファーストMP44などの小道具は充実。
無駄死にでは済まされないようなやりきれない結末で、戦争の悲惨さを味わうことができる。
ドイツ映画ってすごいよ。(2006.8)



 映像捜索中  激戦ダンケルク DUNKIRK 1958英  モノクロ135分 ★★

監督:レスリー・ノーマン、出演:ジョン・ミルズ、ロバート・アークハート、レイ・ジャクソン、リチャード・アッテンボロー

ドイツ西方電撃戦により包囲下にあった
イギリス軍の撤退作戦を、様々な角度から描いた古典的秀作。
物語は本隊へ合流するため戦闘を続けながら後退する英軍歩兵部隊が、ダンケルクから民間のボートに乗って英国本土にたどり着くまでが中心。
全編完全装備のイギリス兵を見れるので、英軍ファンには嬉しい。ドイツ軍も適度に強く、戦闘シーンもなかなかリアルで、一人また一人と犠牲者が出てゆく。また英軍総司令部や海軍の活動も描かれ、全体の戦況もよくわかる。撤退作戦のため民間からあらゆる船をかき集める、本土側の有様も描かれ民間人も含めた大イベントだったのだ。
海岸にたどり着いても満足な船も無く、繰り返しドイツ軍の空爆を受け大混乱の中での撤退作戦が描かれる。
珍しい
ブレンガンキャリアーボフォース20mm 対空砲も登場。実写フィルムではJu-878852の他、勢い余ってタイガーTも見れる!
モノクロの古典的作品だがオススメの一作。

 攻撃 Attack!  1956米 白黒 108分 ★★  

ジャック・パランス、エディ・アルバート、リー・マービン

無能な指揮官の下で苦労する(…というより死んでゆく)兵士達。組織の腐敗振りを痛烈に描いた名作。
部下思いのJ・パランスの、およそ主人公(ヒーロー)とは言いがたい強面ぶりも、ここではばっちりはまり役。
ドイツ軍も強すぎず弱すぎず、ちょうどいい感じ(?)。ヘルメットがやけに深々として、第1次大戦のドイツ兵みたいだし、重機関銃は昨今の映画のものとは違い文字通り“火を噴いている”し、50年代の古い映画には時々見られるんだけど、異様な迫力あり。
M3(M5)改造らしいドイツ軍戦車が、なんとも不恰好なのが唯一残念。

ジャック・パランス、今年(2006)お亡くなりになりました。合掌!(2008.8)
 ビデオはある  撃滅戦車隊3,000粁(キロ) THEY WERE NOT DEVIDED 1956年  102分  

監督:テレンス・ヤング、出演:ラルフ・クラントン、エドワード・アンダーダウン、ヘレン・チェリー

ダンケルク撤退後のイギリス軍がノルマンディー、マーケットガーデン作戦、バルジの戦いと転戦してゆくさまを、戦車部隊を中心に描いた古典的作品。古い映画なのであちこちで(いらんところで)女性が出てきてまったりするのが余計なんだけどガマン。実写フィルムも含めて掘り出し映像が結構あり、イギリス軍ファンにはお薦めかも。始めのほうの訓練シーンでは鬼曹長が「世界は二種類しかない、英国と英国の植民地だ!」なんていうんだから楽しい。

しかし最後はタイトルどおり、イギリスとアメリカは同盟国である!と訴えるというオチ。
マーケットガーデン作戦の
米軍空挺隊が、ドイツ降下猟兵みたいな服装だったりするのはご愛嬌。
戦車では
クロムウェルなんかが登場するのも英国製映画ならでは。ともかく中盤からはM4シャーマンがひたすら走り、射撃し、被弾し炎上するシーンが見れる。改造タイガーもチラッと登場する(2008.7)
 ビデオ
 ‘アーサーランク・
 ベストコレクション’
 殴り込み戦闘機隊 REACH FOR THE SKY  1956年英 モノクロ136分  

監督:ルイス・ギルバート、出演:ケネス・モア、ミュリエル・パブロウ、アレクサンダー・ノックス

訓練中の大事故で両足を失くしながら義足でパイロット復帰への道を突き進み、第2次大戦で飛行中隊長にまでなったダグラス・バーダーの自伝映画。事故の後義足をつけてリハビリに励む姿から、第2次大戦終了までを描いているので、古い映画には珍しく136分の長い映画。
事故を起こすのは
複葉機アブロ504(実機登場)。大戦勃発からはスプットファイアも出るが、ハリケーンがメイン。そのクリアーな勇姿が堪能できる。空中戦シーンは英軍機のみ実機で、あとは模型と実写フィルムを巧みに組み合わせている。50年代の映画とは思えない迫力だが、撃墜され終戦まで4年余り捕虜として過ごすので、全体の中で飛行シーンの占める割合はさほど多くない。自分はパイロットであり、飛ぶことを使命とした一人の男の不屈の物語である。
実写フィルムでは、
Me‐109Me-110Ju-87He-111の迫力ある姿が見れる。
地獄の戦線

 (ビデオ)

 地獄の戦線  TO HELL AND BACK  1955年米  106分

監督:ジェシー・ヒッブス、出演:オーディ・マーフィ 、マーシャル・トンプソン 、チャールズ・ドレイク、デヴィッド・ジャンセン

16歳で入隊し19歳までに数々の手柄を立て、中隊長にまでなった
実在の英雄オーディ・マーフィオーディ・マーフィ本人が演じているというなんか凄い映画。
1950年代の映画だから、兵士たちの会話、酒場でのけんか、イタリア娘との一夜の恋など、今見るとちょっとなー…なシーンも多いが、戦闘シーンはけっこうな迫力で見入ってしまう。歩兵、戦車、砲兵、さらには空軍の支援などいかにもアメリカ的な戦いぶりはリアル。
ドイツ戦車はM-41だが米軍はちゃんとM4シャーマンなのが嬉しい。
最後は主人公が勲章を授与されるシーンで終わる、アメリカ万歳な映画だが、シシリー、イタリア本土、南フランスと転戦していった現存する
第3歩兵師団の歴史をたどることができる。(2007.9)
 地上(ここ)より永遠に  FROM HERE TO ETERNITY  1953年  118分  

監督:フレッド・ジンネマン、出演:バート・ランカスター、モンゴメリー・クリフト、デボラ・カー

真珠湾奇襲攻撃直前のハワイが舞台。
転属してきた新兵とその上官を中心に、上官の妻との不倫、クラブの女との恋など、平時の軍隊内の様々なしかし平凡な人間ドラマが進んでゆく。小柄で貫禄のないフランク・シナトラがここでは三枚目の役どころなのが面白い。

ラストで奇襲攻撃が描かれるが、大半は実写フィルム。
実機はおなじみT−6テキサンによる空襲。まだ英軍スタイルのヘルメットのアメリカ軍。
「トラトラトラ」や「パールハーバー」が大好きな人はその前説として見ておくのもいいと思う。(2008.8)


 第十七捕虜収容所 STALAG 17   1953年米 119分 

監督:ビリー・ワイルダー、出演:ウィリアム・ホールデン、ドン・テイラー、オットー・プレミンジャー

監督自らのモノローグが冒頭で入るように、最初の収容所もの映画である(そうだ)。
全体的にコメディタッチで進むので若干疲れるが、途中から捕虜の中に潜むスパイ探し、最後は脱走劇とけっこう楽しめる。朝礼と点呼、中庭でのスポーツ、男達だけでのクリスマスパーティー、赤十字監視員の視察、何でも手に入れてくる調達屋。収容所ものにはつき物の描写がすべて盛り込まれている、古典的作品。
スパイ大作戦のピーターグレイブスが意外な役で出ている。